ITアーキテクト vs ITコンサルタント
エンジニアって言ったらプログラマーなの?
YouTubeで『エンジニア』と検索すると、転職系もしくは、WEBプログラマー系の動画が多数出てきます。みなさんやはり転職に悩んでいますね。そして転職テーマも『未経験からIT業界に通用する?⇒無理です』という、現実を突きつける系の動画も出ています。
そうなると、頼りになるのはプログラミングスクールになり、『未経験でHTM/CSSを学ぶのはNG』みたいな不安をあおる系の動画も目にすることで、焦った方はプログラミングスクールに大金を払って通い始めてしまうのだと想像します。
大金とは言っても、四年制大学費用や二年制専門学校を営む学校法人とは違い、数か月で卒業できる民間・私営スクールになるため、数十万円程度となります。
それでも、十数年かけて積立していない状態で払うのはためらうほどの金額ですし、スクールに入ったからには、きちんと就職して、自分に投資した分は取り戻す勢いで取り組んでいるとは思いますが…
就職できても、プログラマーとして、未経験を理由に年収300万クラスの会社に採用されて、最初は我慢しながら働く人が大半だと思います。
WEB業界、SIerでも安い労働力を使って、開発コストを下げるのは当たり前で、プログラマーに対して求めるものもクリエイティブな才能ではなく、体育会系的な労働力を必要としているので、需要があると単金が低い社員を雇用し、経営層が上澄みをすするような会社が残り続けているわけです。
つまり、スクール卒でプログラム経験年数が1年未満で入った会社では、下流の工程しか経験することができないと断言できます。
「ずっとプログラムの仕事をして、最新技術のスキルを学べる」と、前向き耳障りの良いワードを並べられる会社もあるかもしれませんが、『ただし、給料あがらないけどね』という心の声も感じ取れると、働いている当事者の方たちの改善手段は転職ということになります。
「転職するなら、給料を上げたい ⇒ 上流の職種へ」 が定石
では、給料アップを狙って転職する場合には、どのような会社・職種を目指すのが良いでしょうか?
残念ながら、日本ではプログラマーの地位が低く、高度な仕事と位置付けている会社が多くありません。
IT土方と揶揄されて人材ピラミッドとなっているSIerのビジネスモデルが批判されているため、若い人たちがプログラマーの地位を上げるべく起業していますが、まだまだ大手をはじめとして大多数の企業は、プログラマーより、上流工程やプロジェクトを管理できるエンジニアが求められています。
ITエンジニアにおいて、高報酬が望める職種は以下の3つが代表的です
職種 | 平均年収 |
プロジェクトマネージャー | 891万円 |
ITコンサルタント | 928万円 |
ITアーキテクト | 778万円 |
SE・プログラマ(顧客向け) | 593万円 |
SE・プログラマ(ソフトウェア製品) | 568万円 |
参考 経済産業省 IT関連産業の給与等に関する実態調査結果 平成29年8月21日
上流工程で一番報酬が低い「ITアーキテクト」でさえ、プログラマと平均年収が200万円近く上です。月額に直すと約16万円が多くもらえますね。求められるスキルが段違いに難しいですが、見返りとなる報酬も全く違います。
特にSIerビジネスモデルのピラミッド構造にある、2次受け・3次受けの企業に所属してしまうと、作業スコープが会社時点で決められてしまうため、エンジニアとしての職種の限界を感じてしまうことにあります。
現場では、どんなに昇進を頑張っても、一つの開発チームリーダが限界で、開発工程的には詳細設計~結合テストを行い、後は保守メンバとして、トラブルや都度出てくる改善要望を対応する…という方たちも大勢いるのではないでしょうか?
2次受け・3次受けの開発工程主流の会社で、給料を上げるのは限界があるもう一つの理由として、単金相場が固定化されてしまうことも挙げられます。これはピラミッド構造で下請け会社に発注依頼するときに、手数料を吸い取ってしまうため、顧客から発注するときに開発メンバに単金100万円を請求しておきながら、実際に2次受け・3次受けだと80万円、60万円と単金が下がってしまいます。
参考 SIerのピラミッド構造解説(自作)
その単金60万円から、エンジニアに給料として支払われる金額は5割~6割となり、30万円代が給料の限界となります。発注元の単金が跳ね上がらないと、給料が爆上がりしないのです。
どうすれば、エンジニアの報酬を上げることができるのか?私が考える方法としては以下の3点です。
- 職種をそのままで、開発者に十分な報酬を支払われている会社に転職
- 単価の高い職種として、採用を募っている企業に転職
- 開発作業をメイン事業として、自分で企業する
“1”に当てはまる企業は増えているとは思いますが、まだまだ数は少ないのではないでしょうか?”3″は、日本では事業失敗のリスクを享受できる人が少ないでしょう。
今回は僕が経験した、上記の”2″をテーマにして、平均報酬が高い「ITアーキテクト」vs 「ITコンサルタント」として比較しながら動画解説を企画しました。
まだまだ、マイナーなITアーキテクト
動画作成のためのスライドを作成していて、気が付いたことなのですが、ITアーキテクトの情報がまだまだ少ないです。
まず、YouTubeやGoogleで職種調査のために検索をしても、結果件数がとっても少ないです。技術系最高峰の職種ではありますが、職種分割されてから歴史が浅いのか、社会的に認知されてはいないのだと感じます。
参考に転職エージェントやフリーランスの仕事斡旋サイトを調査しても、ITアーキテクト、システムアーキテクトとしての募集人数はITコンサルと比較しても3割~4割程度です。これでは職種を希望しても、チャンスに巡り合わないことが予想できます。
プロジェクトとしては必要なシステムグランドデザインの設計、システム化要件定義の支援作業は、誰がやっているのか?
他の職種の応募内容を見てみると、ITコンサルタントやITスペシャリストがITアーキテクトの分野を担っているケースが多いようです。ITアーキテクトという職種を企業側が定義していないのではないでしょうか?
ITスペシャリストとごっちゃになっているITアーキテクト、さらにはITコンサルタントと同じく最上流工程で活躍するので、役割が曖昧な状態になっていると思います。
どちらの職種とも似たような仕事をしていますが、しっかり見ていくと、仕事をするベクトルが全く異なるため、正しく理解し、ITアーキテクトの地位向上のためにYouTubeで情報発信したいと熱が入りました。
長文で思いをつらつら書きましたが、エンジニア職を理解するために有益な内容になっていると思いますので、ご興味のある方は動画を観て頂けると嬉しいです。
【YouTube状況】2020/12/12時点
- 登録者数:12人
- 総再生回数:776回
- 総再生時間:70時間
12人もチャンネル登録してくれて、大変ありがたいです!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません