偽ECサイトに騙されない自信はありますか?

2020/12/22YouTube, エンジニア

Nintendo Switchが届かない!!

(以下、ニュースを深読みした私の創作フィクション・ストーリーです)

「お母さん、この間頼んだSwitchはまだ来ないの?」

10月下旬、1週間くらい前にECサイトで購入したNintendo Switch。小学生の娘が喜ぶと思って、高い買い物ではあったが、購入に踏み切った。しかし、Amazonや楽天といった有名なECサイトは軒並み売り切れ、もしくはメーカー希望小売価格より高い、転売目的の出品ばかりだった。

(定価より高いお金は出したくない!こっちは真面目に仕事しているのに、転売ヤーにお金が渡るのは嫌!)

Googleで検索していたところ、検索の最上位に出てきていた「E STORES」という見慣れないサイトが出てきた。サイトにアクセスしたところ、白を基調としたシンプルなデザインのページが出てきた。

(Nintendo Switch と 「あつまれどうぶつの森」のセットが販売中だ!どうせ、ソフトも買わないといけないし…高いけど買っちゃおうかな?)

娘にプレゼントを買ってあげる約束して、あまり待たせるのも悪いという気持ちからの焦燥感、さらに残りの在庫数が3個と表示されていて、早く確保したいという気持ちが沸き上がる。ネットとはいえ、人気商品を探し回るジプシー状態も時間を浪費してキツイ。

見慣れないサイトに感じた違和感も少なくなり、慎重にサイトを見ても、日本語がおかしいような箇所は無い。安堵感と共に購入手続きを済ませると、決済が完了したメール通知がやってきた。内容を確認すると、銀行口座への振り込み案内が記載されている。

(今どき、クレジット決済や電子マネーでの決済手段が主流だけど…支払方法が限定されているサイトなのかもしれない)

若干面倒には感じたが、売切の人気商品を手に入れられるし、何より娘との約束を守ることができると感じ、指定の銀行口座に所定の金額を振り込んだ。

そんな記憶が娘の言葉に思い起こされ、と、同時にある不安な気持ちに襲われた。

(え?まさか!)

確かに決済完了メールも届いた。銀行口座に振り込みを行い、出荷の手続きに入るメールも受信した。あわててサイトを見てみると…

(503エラー?! え?何これ?サイトが表示されないんだけど!)

受信メールからのURLをクリックしても、1週間前に見たサイトにたどり着けない。Google検索しても広告には同じサイトが表示されない。ブラウザの履歴から1週間前にアクセスしたサイトを探し出す。やっとたどり着いたサイトも受信メールに記載されているURLと同じだった。

焦って消費者センターに相談し、警察にも連絡したが、すでにサイトが存在せず、調査が進まない。住所が記載されていた形跡が見つかったが、全く関係ない会社の倉庫であったという話を聞いた。

このやりきれない、やり場のない怒りを誰かにぶつけたくもなるが、娘が楽しみにしていたプレゼントを渡すことができない、悔しい思いでいっぱいになった。

世の中には信頼できない、ズルい大人がいる。学校では教わることができない社会悪を、母である私が身をもって教えてしまったことに対し、自分の行動を深く後悔している。

(フィクション・ストーリは以上です)

 

 

シーズン商戦で出てくる詐欺サイトへの怒り

おそらくネットビジネスが出てくる前から、電話での通販で詐欺行為は行われており、店舗でも粗悪品を売りつけるなど、不当に商取引を行う例が多数あると思います。インターネットの出現に伴って相関関係があるのかは不明ですが、特殊被害の認知件数が年々増えており、過去3~4年で頭打ちとなっています。

詐欺被害状況

(参考:【図解・社会】振り込め詐欺など特殊詐欺の被害額推移@jiji.com)

ネットビジネスの規制・取り締まりがある程度進み、サイバーテロ対策を含めた警察のIT力が増した成果だと信じています。ですが、イタチごっこの世界で短期間で詐欺行為を働くサイトが乱立されており、サイトの精度も向上し、一見したら通常のサイトと区別がつかないほど、手口も巧妙になっています。

前半に私が創作したフィクション・ストーリーは、実際に10月頃に詐欺にあった女性の被害告白のニュースを見ながら、考えたものです。被害の話を聞いて、同様の被害に遭ったと言われる、別の詐欺サイトにアクセスできたため、早速スマホで確認しました。

現在ECサイトの開発の仕事をやっている私にも、若干素朴感があるようには感じましたが、詐欺サイトの疑いは持てませんでした。「残り4点」というようなタイムセール方式の購買欲を刺激するような表示もありましたし、値段も相場とあまり変わらないため、逆に不信感が出にくいような工夫があるように感じます。

偽サイトPLUS

※私が実際にアクセスした詐欺サイト(PLUS) 現在は参照できません

ローコード・ノーコードでサイトが作成できる製品やクラウド・サービスが充実してきているため、ネットビジネスの障壁が感じられないほど、簡単に個人でビジネスをスタートすることができます。世の中の仕組みが便利になればなるほど、新しい技術を使って悪用する者が出てきます。

そのような悪意を持った詐欺犯罪者が個人・法人を狙ってくるという事実を知り、手口を理解して初めて、的確な防御策を検討することができます。

私ができることは些末な内容ではありますが、情報を発信することで、一人でも多く、被害を受けることがなくなることを願い、YouTube動画で配信することを決めました。なるべくわかりやすい言葉を使ってお話したつもりではありますが、もっとプレゼンがうまくなりたいですね

 

 

ネットビジネスの詐欺が経済やIT技術を衰退させる

動画の撮影が終わって、改めて見返すと「ゼロトラスト」という思想でネットを利用するという、ある意味苦肉の策だと感じます。警戒感を持ってネットサービスを利用するのは、かなり疲れます。

今のコロナウイルス感染対策で、「ひとりひとりがマスクをして、手洗い消毒しましょう」という個人自衛策に通じるものがあります。個人の自衛策にも限界があり、必死に気を付けてはいるけど、感染の広がりを止めることができない状況になっており、トップダウンの強固な決断が必要となっています。

ネットの詐欺防止も個人でやれること、インターネットルールの整備、法規制ができることの両面で対策を施す必要があると感じます。リアルな世界で個人がお店を開くためには、個人事業開業や防火管理、食品衛生管理等、届け出が必要になります。ネットビジネスも同様に障壁を高くするしかないかと考えております。

手軽さが売りのネットビジネスですが、短期間でビジネスが始められないのは、大きなメリットを失いますし、機会損失となる場面が増え、経済停滞の一因にもなりかねません。

信頼のあるECサイトだけが生き残り、新規参画のECは詐欺ではないかと疑われるという、悪循環に陥るのではないかと危惧しています。新しい技術を利用したサイトが、世に出てこないのは日本のIT技術が進化せずに、衰退してしまいます。外国産のクラウドサービスが主流になるのも、ある意味納得できます。

制度・仕組みを変えるのは時間がかかりますので、直近私たちがどういう対策がとれるかというと、全てのトラフィックを疑うという「ゼロトラスト」の考えでインターネットを利用するしかないと考えます。

車の運転にもある「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」で安全運転ができるマインドにも似ています。詐欺という交通事故に遭わないためにも、軽率なネット利用は避けるほうが安全です。安心してネットサービスを享受できるように、セキュリティ対策は継続して推進していきたいですね。

 

 

 

【YouTube状況】2020/12/21時点

  • 登録者数:13人
  • 総再生回数:877回(+101回)
  • 総再生時間:85時間(+15.2時間)

登録者が1人減って、2人増えました。減ることもあるんですね~でも、本当にうれしい限りです。

動画もブログも見て頂いた方、いつもありがとうございます!これからもがんばります!